無残な姿にされた産業遺産 [テツの本]
副題に「東京周辺鉄道おもしろ案内」とあるように、東京周辺の駅を巡りながら、鉄道のうんちくを語る趣向の本です。村上 健さんが描かれた駅周辺のイラストは、見ているだけでほのぼのした気分になります。挿絵目当てでも買う価値があると思います。
この本の中で一番気になったのは「無残な姿にされた産業遺産」のタイトルが付けられた項でした。渋谷ハチ公前広場においてある、緑の電車について書かれています。
ハチ公前広場に置いてある電車は東急(旧)5000系といって、戦後登場した電車史に残る革新的な電車です。筆者は、戦後の産業史をものがたる貴重な遺産であるこの電車を、無残な姿(台車をはずし車体を切断して休憩所にしてしまった)で野ざらしにしている現状に憤っています。
昨日取材?に行ってきました。
最近渋谷を訪れる機会もなく、この場所に行くこともなかったのですが、まさにそのセンスは廃物利用といった風です。先人の遺業に対する尊敬の念などかけらも感じられないような現状に憤りを感じつつ帰路につきました。
※今回の書籍
草思社
「五反田駅はなぜあんなに高いところにあるのか」
東京周辺 鉄道おもしろ案内
長谷川 裕
イラストレーション
穂積 和夫
村上 健
2010-07-18 07:29
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